京都大学呼吸器外科では、2008年6月に生体肺移植を再開し、2010年3月までに、10例の生体肺移植を実施し、全例が順調に経過しています(2010年3月12日現在)。手術を受けたのは、6歳から54歳まで(小児4人、大人6人)の重篤な患者さんでした。白血病や神経芽腫などの悪性疾患に対して造血幹細胞移植を受けた後の呼吸不全例、一人しか肺の提供者がいない片側生体肺移植例、人工呼吸器管理が必要だった重症例、などが含まれていましたが、みなさん順調に回復し、社会復帰されました。また、患者さんの両肺の一部を残す手術にも世界で初めて成功し、体の大きな男性にも生体肺移植が可能であることを証明しました。
平成22年3月
呼吸器外科教授
伊達洋至