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平成14年8月
平成6年卒 庄司 剛
平成6年卒の庄司 剛です。 現在大学院医学研究科に在籍中(4年)です。
平成14年6月に渡米、留学生活を開始して約3ヶ月が経過しました。こちらの施設と、近況を少しご報告いたします。
留学先は米国マサチューセッツ州ボストンの、Transplantation Biology Research Center (TBRC)という、Massachusetts General Hospital(MGH), Harvard Medical Schoolの一研究施設です。http://www.mghtbrc.org/ 私はその中のcardiothoracic labotatoryに所属し、リサーチフェローとして働いています。http://www.mghtbrc.org/research/research_cardio.html 。
本施設の研究の柱は「同種移植の免疫寛容」と「異種移植」で、cardiothoracic labotatoryでは心臓移植、心・腎同時移植、肺移植のモデルを用いて研究をしております。移植には「Dr. Sachs(TBRCのDirector)のminiature swine(ミニブタ: 体重5kg-100kgくらい)」を使います。このブタは、ラットなどの小動物のようにinbredであり、MHC (class I とclass II)が判明しております。MHCのタイプにあわせてブタを選び、class I mismatchの肺移植や、class II mismatchの心移植などを自由にデザインでき、移植における免疫寛容を主テーマにさまざまなプロジェクトが動いています。大動物でMHCが判明している移植実験ができるのは世界でここだけのようです。実験施設もなかなか充実していて、手術室の規模は人間のそれと同等で、ドナーとレシピエントの移植手術を同室で行っています。術中は手術室専任のTechnicianが麻酔管理をします。
肺移植は片肺移植を行います。class I mismatch の肺移植(免疫抑制はDAY0-12のサイクロスポリンのみ)で、術後5-7ヶ月でOB (Obliterative Bronchiolitis) ができる系があり、その系現在の私の受け持ちです。ラボでは肺移植だけでなく心移植の手術にも入っています。大学院入学後、臨床から数年離れている私にとっては、ヒトとほぼ同じサイズの臓器を持つ動物で手術ができるいい機会だと思っています。
仕事はもちろん手術だけでなく、免疫関係のアッセイも行います。フローサイトメトリー、MLR (リンパ球混合反応) assay、CML (細胞傷害反応) assayなどを、現在勉強中です。 土日はグループ内の当番制でanimal care(ブタに抗生剤や免疫抑制剤の投与など)をします。週2回、ブタのための「回診」があり、受け持ちのフェローが個々のブタに対する現状をプレゼンテーションし、他のグループの研究者とDiscussionをします。まさに人間並みの扱いです。
これまで移植免疫の仕事を一度もしておりませんでしたので、最初の1ヶ月は何がなんだか、というか何が分からないのかすら分からない状況で少々ストレスでしたが、ここにきてゆっくりとではありますが分かり始めた感じです。といってもおそらく移植免疫学の入り口がやっとみえてきたというところなのだと思います。
ここまでの最初の3ヶ月は生活の立ち上げ、研究内容の理解、仕事の手順の把握などであっという間に過ぎていったというのが正直な感想です。それでも何とかこの環境に慣れてきたところです。
初めてのボストンの夏も終わろうとしていますが、例年より暑かったようで、思ったほど涼しくありませんでした。それでもやはり湿度が日本より低いためか、しのぎやすく感じます。特に8月半ばからは朝晩は一段と涼しくなってまいりました。
また近況をご報告させていただきます。次回は研究のことだけでなく、ボストンの街のこと、海外での生活のことなども書かせていただこうと考えています。